MomentoとCloudflare workersとの統合
Cloudflare Workersは、サーバーレスコードをデプロイして実行するための人気のプラットフォームです。
このチュートリアルでは、JavaScript SDK の 2 つの 例 を使用します。このチュートリアルを通して、Momento Cacheとやりとりしてデータを投入・取得するCloudflare Workersを作成することができます。
前提条件
このアプリをデプロイして実行するには、以下のものを用意する必要があります:
- GitHub、GitLab、BitbucketなどのGitプロバイダーのアカウント。
- Cloudflareアカウント。
- momentoリポジトリにあるMomento JavaScript SDKのコピーまたはフォークしたもの。
Cloudflareアカウントを取得し、GitプロバイダーアカウントにMomento JavaScript SDKのコピーまたはフォークがあれば、Momentoコンソールを使ってMomento側を設定する準備が整います。コンソールにアカウントを作成するには、メールアドレスを入力するか、既存の Google または GitHub アカウントをリンクします。コンソールにログインしたら、ページの右上にある Create Cache
ボタンをクリックします:
ここではworker
というキャッシュを作成します。キャッシュはAWSかGCPの好きなクラウドプロバイダーに、好きなリージョンで作成できます。
Create
ボタンを押すと、利用可能なキャッシュのリストに新しいworker
キャッシュが表示されます。
キャッシュを作成したリージョンもキャッシュのリストに表示されていることに注意してください。次のステップでMomento認証トークンを生成する際に、同じリージョンを選択する必要があります。tokensページに移動し、キャッシュの作成に使用したクラウドプロバイダとリージョンを選択します。キャッシュはすでに作成されているので、worker
にキャッシュからの読み込みとキャッシュへの書き込みを許可し、削除などのコントロールプレーン操作を許可しない、きめの細かいトークンを使用します。これは特に、コントロールプレーンとデータプレーンの操作のセキュリティを別々に管理したい場合に便利です。
Fine-Grained Access Token
トークンタイプを選択し、ドロップダウンから Cache Name
として worker
を選択し、Role Type
として readwrite
を選択します。スーパーユーザトークン Super User Token
はコントロールプレーンの操作管理に使用します。Momento 認証についての詳細は こちら を参照してください。ここまでできたらGenerate API Key
ボタンを押します。
API Key
と HTTP Endpoint
をコピーして安全な場所に保存します。後で Cloudflare Workers
のデプロイを設定する際に、Cloudflare Workers
で使用する環境変数として追加する必要があります。
Cloudflareへのデプロイ
いよいよアプリケーションを設定し、Cloudflare アカウントにデプロイします。前述したように、 Momento JavaScript SDK リポジトリのコピーが必要です。 この例では、オリジナル からフォークした GitHub リポジトリからデプロイします。
このリポジトリには cloudflare workers
用の examples
ディレクトリがあります。さらに、Cloudflare ワーカー内で Momento を使用する 2 種類のサンプルプロジェクトのサブディレクトリがあります:
- HTTP-API - Cloudflare workers上でHTTP APIを使用してMomentoキャッシュを利用する例です。
- Web-SDK - Cloudflare workers上でWeb SDKを使用してMomentoキャッシュ を利用する例です。
Cloudflare Workers内でMomentoとやり取りする際に、どちらかを選択します。
-
HTTP-API を利用する場合は、依存関係を追加する必要はなく、標準の
fetch
HTTP クライアントメソッドを使用するだけです。しかし、その場合だとget
やset
、delete
といった Momento API の基本的なサブセットしか利用できません。 -
Web-SDK を利用する場合は、SDKへの依存関係を追加する必要があります。しかし、Momento APIを完全にサポートしています(DictionariesやSortedSetsのようなコレクションや、Momento Topicsへのパブリッシュ機能を含む)。また、TypeScript/JavaScript API を備えており、Momento とやり取りするコードをより簡単に書くことができる。これにより、Worker を開発する際の時間と労力を節約することができます。
Cloudflare は、wrangler.toml というファイルを使ってworkerの開発と公開を設定します。Cloudflareの設定に関する詳細は、cloudflareのウェブサイトを参照してください。
Momento HTTP API を使ってみる
まず、Cloudflare workersでMomentoのHTTP APIを使用するために、関連するサンプルディレクトリに移動しましょう。
cd examples/cloudflare-workers/http-api
このディレクトリの wrangler.toml
ファイルを、キャッシュ名 worker
と先ほどコピーした Momento コンソールに表示されたHTTP エンドポイントを記載します。
name = "momento-cloudflare-worker-http"
main = "src/worker.ts"
compatibility_date = "2023-07-10"
[vars]
MOMENTO_REST_ENDPOINT = "https://api.cache.cell-4-us-west-2-1.prod.a.momentohq.com"
MOMENTO_CACHE_NAME = "worker"
exampleディレクトリの.dev.vars
ファイルにMomentoのAPI Keyを記載します。これはシークレットトークンなので、環境変数として保存せず、Cloudflareのシークレットとして保存します。
MOMENTO_API_KEY="<your token here>"
開発サーバーを起動します:
npm run start
ブラウザでlocalhost:8787を開きます。この例のコードは、キャッシュにアイテムを設定し、それを取得し、JSONオブジェクトとして返します:
// setting a value into cache
const setResp = await client.set(cache, key, value);
console.log("setResp", setResp);
// getting a value from cache
const getResp = await client.get(cache, key)
console.log("getResp", getResp);
return new Response(JSON.stringify({ response: getResp }));
デプロイされた例は こちら にあります。
この例を自分の Cloudflare workers にデプロイしたい場合は、Cloudflare アカウントのシークレットとして MOMENTO_API_KEY
を追加してください:
npx wrangler secret put MOMENTO_API_KEY
> Enter a secret value: **************************
> 🌀 Creating the secret for the Worker "momento-cloudflare-worker-http"
> ✨ Success! Uploaded secret MOMENTO_API_KEY
次に npm run deploy
を実行します。Cloudflareアカウントにデプロイする前に、Cloudflareへのログインを求められます。
> shy-bush-898e@0.0.0 deploy
> wrangler deploy
⛅️ wrangler 3.2.0 (update available 3.5.0)
-----------------------------------------------------
Your worker has access to the following bindings:
- Vars:
- MOMENTO_REST_ENDPOINT: "https://api.cache.cell-4-us-west-2-1...."
- MOMENTO_CACHE_NAME: "worker"
Total Upload: 2.04 KiB / gzip: 0.69 KiB
Uploaded momento-cloudflare-worker-http (1.44 sec)
Published momento-cloudflare-worker-http (0.40 sec)
https://momento-cloudflare-worker-http.pratik-37c.workers.dev
Momento Web SDKを使ってみる
まず、Cloudflare workersでMomentoのWeb SDKを使用するために、関連するサンプルディレクトリに移動しましょう。
cd examples/cloudflare-workers/web-sdk
このディレクトリの wrangler.toml
ファイルに worker
というキャッシュ名を記載します。HTTP エンドポイントは Web SDK が管理してくれるので、もう必要ありません。
name = "momento-cloudflare-worker-http"
main = "src/worker.ts"
compatibility_date = "2023-07-10"
[vars]
MOMENTO_CACHE_NAME = "worker"
exampleディレクトリの.dev.vars
ファイルにMomentoのAPI Keyを記載します。これはシークレットトークンなので、環境変数として保存せず、Cloudflareのシークレットとして保存します。
MOMENTO_API_KEY="<your token here>"
開発サーバーを起動します:
npm run start
ブラウザでlocalhost:8787を開きます。この例のコードは、キャッシュにアイテムを設定し、それを取得し、JSONオブジェクトとして返します:
// setting a value into cache
await client.set(cache, key, value);
// getting a value from cache
const getResponse = await client.get(cache, key)
return new Response(JSON.stringify({ response: getResponse.toString() }));
デプロイされた例は こちら にあります。
この例を自分の Cloudflare workersにデプロイしたい場合は、Cloudflare アカウントのシークレットとして MOMENTO_API_KEY
を追加してください:
npx wrangler secret put MOMENTO_API_KEY
> Enter a secret value: **************************
> 🌀 Creating the secret for the Worker "momento-cloudflare-worker-http"
> ✨ Success! Uploaded secret MOMENTO_API_KEY
次に npm run deploy
を実行します。Cloudflareアカウントにデプロイする前に、Cloudflareへのログインを求められます。
> shy-bush-898e@0.0.0 deploy
> wrangler deploy
⛅️ wrangler 3.2.0 (update available 3.5.0)
-----------------------------------------------------
Your worker has access to the following bindings:
- Vars:
- MOMENTO_CACHE_NAME: "worker"
Total Upload: 1673.43 KiB / gzip: 168.75 KiB
Uploaded momento-cloudflare-worker-web (2.46 sec)
Published momento-cloudflare-worker-web (0.30 sec)
https://momento-cloudflare-worker-web.pratik-37c.workers.dev
まとめ
この簡単なチュートリアルで、Cloudflare Workersを使ってMomentoを搭載したアプリケーションをデプロイすることがいかにシンプルで簡単であるかをご理解いただけたと思います。もちろん、サンプルのコード もご自由にご覧ください。また、Momento Cacheのシンプルさを楽しんでいただければと思います。